君がいて、僕がいる。
___とりあえず、私は将希の分も含めた朝御飯を作った。
この人の考え方はわかったし、わかりたいとも思うようになったんだけど
今まで散々避けてきて、将希のことやお母さんのことがあるから、受け入れていいものかと悩むとこでもある。
今日はおしゃれにフレンチトーストを焼く。
補充された卵をたっぷりつかって。
自分のを先に焼いて、将希の焼きつつ、自分のを食べる。
最近のスタイルはこれだ。
「将希~」
お湯も沸かして朝御飯の準備が完了したら将希を起こす。
……まぁ、普段は絶対起こさないんだけど、今日はね。
「……なんだよ…」
おぉ、朝はとびっきり機嫌が悪いな。
「ご飯できたから食べに来なさい」
「あとでいい…」
「いいから、早く起きて食え!!」
いつまでもぐだぐだと布団に隠れるこいつをたたき起こして、めっちゃ機嫌悪いけど一緒に下までおろした。
でも、リビングにいるお父さんを見て将希の足は止まった。
かとおもえば
「……いらねぇ」
いきなり、踵を返す。
「人がせっかく作ってやったご飯を食べない気か」
「部屋に持ってこいよ」
「将希」
「……なんだよ」
「怒られてるうちが華。
喧嘩できてるうちが華なんだよ。
本当に壊れてからじゃ遅いんだよ
……って、あんたの大好きな圭介も言ってたよ」
私がそういうと、将希は盛大に舌打ちをしてきて
……でも、自分でリビングのドアを開けた。
「……朝から甘いの食うのかよ…」
「いいじゃん、せっかく作ったんだから」
なんだかんだ文句言う将希に、このくそ暑い中熱いミルクティーを淹れる。
フレンチトーストのことは甘いとか文句言うくせに、こいつの朝は決まってロイヤルミルクティー(加糖)。
かっこつけてるだけで、絶対甘いもの好きだろ。
「んじゃ、ゆっくり食べな」
「……真希はどっか行くのかよ」
「私は歯磨いて着替えて学校に行くの。
じゃあね」
そういって、私はさっさとリビングを出た。
この二人だけにしていいのか、ちょっとだけ悩んだけど…でも私が一緒にいるのもいやだ。
荒れることは間違いないから、ここにいるのだけはいやだ。
……でも、喧嘩してもいいから
目を合わせて、言葉を交わして、真正面からぶつかってほしかったから。
ずっと逃げてるだけじゃなにも変わらないから。