君がいて、僕がいる。
「……意味が、わからないんだけど…
圭介が、将希に罪おしつけたんじゃないの…?」
「……俺も、最初は意味わかんなかったんだけど」
将希は苦しそうな顔でそう言い始めた。
その表情に、こちらまでドキドキと不安が募る。
どこか、聞きたくないような…そんな気分だった。
「……あの日、俺のところにはじめて警官が来たとき
俺終わったわって思った。
そりゃそうだよな、俺が悪かったんだよなって思った。
……なのに、警官は俺に厳重注意しかしなかった」
「……は?」
将希の話が、いまいち理解できない。
こいつはいったいなんの話をしてるんだ…?ってくらいに…
「……あの日、俺が1人で繁華街歩いててイライラして…そん時、神谷さんから呼び出されて、でも特に話とかなんもなくて…他愛もない話をみんなとしてる内に、神谷さんがいなくなってることに気づいてさ
……そしてら、俺らのところにお巡りが来て。お巡りに言われた。カバンの中を見せろって。
そん時に俺終わったわって思って、仕方なく鞄見せたらバサバサ中身出されてさ
…そしたら俺の鞄のはずなのに、中からタバコがばさばさ出てきて」
「は!?あんたタバコすってんの!?」
「吸ってねぇよ!吸った過去もまったくねぇし」
さすがに、驚いた。
こいつは元々そんなに体が丈夫じゃないから…自分から、死ぬようなことするはずないから
「…でもさ、その鞄はどうみても俺のだし
でもそのタバコには本当に見覚えないし、意味わかんない間に補導されて
おとなしく話聞けば、コンビニからタバコを盗んだ学生がいる、って通報があったらしくて」
「……じゃああんたはタバコを盗んだってことで補導されたってことね?あの時」
「そう。……でも本当に見覚えないし、意味不明だった」
タバコ…未成年の喫煙に、万引きのダブル犯罪にうちの親は怒って悲しんだってことか…
「で、意味不明だった俺はずっとツレに意味不明だってキレてたんだけど
……そしたらさ、俺らの仲間の先輩が教えてくれたんだよ。
『本当はお前、警察に世話になるようなことしたんだろ?』って…」
「・・・は?」