君がいて、僕がいる。



それからというもの、私の周りには常に由貴と世奈がいる。
由貴は女の子らしいけど、中身は二人とも超サバサバとしていて言うときは言うキャラ。
そんな二人といると、本当に楽しくって
毎日が、あっという間に過ぎていった。

たまーーーに優斗くんが私のところに襲撃にくるんだけどね。
毎回毎回私のところまで来るのは大変だろうから、いい加減連絡先教えようか?なんか言ってみたけど
『真希ちゃんの連絡先聞いたら俺が死ぬことになるから』と意味不明なことを言われ、却下された。

まぁ私はどっちだっていいんだけどさ。
私が用あるときってほとんどなくって、強いて言えばテスト勉強の時くらい。

優斗くんが私を都合よく使ってくるから、私も都合よく使ってやる魂胆でね。


でも、優斗くんが生徒会を引退したら、それもぱったりとなくなって、ちょっと寂しくなったけど…
受験勉強を頑張る優斗くんの邪魔はできなくて、極力近づくこともなくなった。


そんなピリついた受験シーズンが終わった頃、我が家でもおめでたがあった。


「将希、おめでとう」


そういって、お母さんお手製のケーキが食卓ど真ん中に置かれている。


「おう」

「高校では悪さしたらすぐ切られるからな。
しっかり見張っとけよ、真希」

「……ていうかなんでうちなの…
聞いてないし…」

「一番近いから。それ以外どんな理由があるんだよ」


あの荒れまくっている弟・将希も無事に高校進学が決まった。
めでたいんだけど…進学先はまさかの私の通う高校。
2年間も共に過ごさなければならないこの事態に、今から私の気が重い……

どうか平和に高校卒業してくれと願うばかり……


あれから将希の反抗期も落ち着いたといえば落ち着いたけど、それでもまだ喧嘩して補導され、お父さんに叱られ、将希が言い返して大荒れの日もあるけど…

その光景に嫌な思いをすることはなくなった。

またやってるよ、と笑えるほど、私も、そしてお母さんも成長したんだ。


「とにかく、高校ではおとなしくしててよね!」

「へーへー」


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