君がいて、僕がいる。



「……はは、そうやってあどけなさ出されると逆に萌えちゃうからやめて」

「わ、わざとじゃ…!」


そう必死に弁明するけど、圭介は私の肩に顔を埋めた。


「……真希は初めてなんだもんなぁ…」

「え、なにが?」

「ん、全部」

「……うん?まぁ」


そりゃ、彼氏も初めて、キスも初めてだけど


「……もう、このままじゃダメだから家まで送るよ」

「え、はや」


さっき、ここに戻ってきたばかりなのに、今度は家に送るとまで言い出した。


「だってこれ以上こんなことしてたら俺の理性が崩壊するし、明日登校日だし
なんか、いろいろ早すぎだから」


・・・なんだそれ。


「ね、帰るか」

「……もうちょっと、ここにいたい」


……まだ、早い
まだうちの家族は起きてる。

…できれば、もう少し遅くまでここにいたいよ


そう思って伝えた、のに


「…俺を殺す気か!!」


なぜか、怒られた。


「ただでさえ我慢してんのにー」

「え、と?なんかごめん」

「…もういい。じゃあ電気つける」


そういって圭介は立ち上がったけど
電気をつければ解決?え、そんなもん?
それだけでもう少しここにいていいなら

どうぞ、電気好きなだけつけてください。


そう、思ったんだけど


「あ。まった!」

「え?」


ダメだ。ダメだった。
ふと外を見たらまだ電気をつけるわけにはいかなくて


「き、来て!」


急いで圭介を呼んで、私たちは仲良く窓際に座った。


「おー、すげぇ。
俺流れてるの初めて見る」


空には、無数の星が光を放って流れている。
本当に、たくさんの星が流れている。


「……きっと、神様がたくさんの人の願いを叶えてあげてるんだろうね」

私がそういうと、圭介はまた私の顔を見ながらすごく優しく笑った。

「…そうだね」


……私には、まだ流れ星が消える前までに3回お願い事を言うことはできないけど

どうか、届いて。


『圭介の1番の人に、なれますように。』




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