羊と虎
「構わないよ。そうそう、美味しく入れる方法って知ってる?」
「え?美味しく入れる方法?知りません」
興味心身で、話し方が戻った事に気付かない杏奈に苦笑しつつ入れ方を教える。
「粉を入れたら、スプーン一杯の水を入れて、スプーンの背で練るんだって。
コーヒーに含まれてる空気を抜くと味が変るんだって」
「へぇ!凄いです・・」
敬語に気付き恥ずかしくて俯いてしまう。
「それと、お湯の温度は80度から90度位が良いんだって」
「温度はちょっと分からないですね。」
キッチンでコーヒーの入れ方を聞きながら、やかんを用意して水を入れようとすると凱に止められた。
「軽量カップはある?1Lの水を沸かして、沸騰後ボールに移すと85度位になるんだって」
「へぇ・・そうなん・・・だ」
軽量カップはあるので、それで水の量を測って沸かしてみる。
その間に他の準備をしておく。
「そう言えば、電気ポットで90度保温とか有るから、そういうのを使っても良いのかな」
狭いキッチンで並んで作業しているのが楽しくなって来た。