溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
突然おかしなことを言い出した私を、彼は心配そうに見つめてくる。
「ごめん、変なこと言って。ちょっと最近色々あって。……長い時間、恋愛とはご無沙汰だった私には、真っ直ぐな笠井君は眩しかったのかも」
冗談めいて言うものの、本心だ。
二十八年間生きてきて、誰かを好きになったのは先生たったひとりだけ。しかももう十年近く前に終わった恋だ。
それ以来、ときめく人もいいなって思える人もいなくて、仕事に没頭する毎日だった。唯一心の中にいたのは佐々木君だけ――。
もう昔のことすぎて忘れちゃっている。好きって感情がどんなものかを。
どうやって、どんなタイミングで“好きだな”って感じたんだっけ?
先生が親身になって私の力になってくれて、それで好きになったんだけど、いつ自覚したんだろう。
経験したことなのに思い出せない。それほど長い時間が経っているんだ。
「もしかして佐野先輩、誰か気になる人がいるんですか?」
「……えっ!?」
“好きな人”に過剰に反応し、大きな声が出てしまった。でもこれでは『そうです』と言っているようなもので、焦り出す。
「ごめん、変なこと言って。ちょっと最近色々あって。……長い時間、恋愛とはご無沙汰だった私には、真っ直ぐな笠井君は眩しかったのかも」
冗談めいて言うものの、本心だ。
二十八年間生きてきて、誰かを好きになったのは先生たったひとりだけ。しかももう十年近く前に終わった恋だ。
それ以来、ときめく人もいいなって思える人もいなくて、仕事に没頭する毎日だった。唯一心の中にいたのは佐々木君だけ――。
もう昔のことすぎて忘れちゃっている。好きって感情がどんなものかを。
どうやって、どんなタイミングで“好きだな”って感じたんだっけ?
先生が親身になって私の力になってくれて、それで好きになったんだけど、いつ自覚したんだろう。
経験したことなのに思い出せない。それほど長い時間が経っているんだ。
「もしかして佐野先輩、誰か気になる人がいるんですか?」
「……えっ!?」
“好きな人”に過剰に反応し、大きな声が出てしまった。でもこれでは『そうです』と言っているようなもので、焦り出す。