溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
それに遠くから救急車のサイレンの音が聞こえてきた。
さすが大きな総合病院。時間なんて関係なく患者はやって来るようだ。
調べてもらっている間、受付で立って待っていると背後から躊躇いがちに声が掛けられた。
「もしかして、佐野……?」
私を呼ぶ聞き覚えのある声にドキッと鳴る。
ゆっくりと振り返ると、私を見た彼――佐々木真太郎(ささき しんたろう)は顔を綻ばせた。
「やっぱり佐野だ。……びっくりしたよ、緊急搬送されてきた患者さんの家族欄に、佐野の名前を見つけた時は」
「佐々木君……」
驚いた。……もう十年も経っているのに、私だって気づいてくれた佐々木君にも、昔に比べて男らしくなって、ますますカッコよくなった彼が佐々木君だってわかった私も。
十年ぶりの再会に思わず立ち尽くしてしまう。
すると彼はこちらへ真っ直ぐ向かってくると、受付の女性に声を掛けた。
「岡本弘子さん、僕の担当なので大丈夫です。僕からご家族にお話いたしますので」
「は、はい……! わかりました。よろしくお願いします」
さすが大きな総合病院。時間なんて関係なく患者はやって来るようだ。
調べてもらっている間、受付で立って待っていると背後から躊躇いがちに声が掛けられた。
「もしかして、佐野……?」
私を呼ぶ聞き覚えのある声にドキッと鳴る。
ゆっくりと振り返ると、私を見た彼――佐々木真太郎(ささき しんたろう)は顔を綻ばせた。
「やっぱり佐野だ。……びっくりしたよ、緊急搬送されてきた患者さんの家族欄に、佐野の名前を見つけた時は」
「佐々木君……」
驚いた。……もう十年も経っているのに、私だって気づいてくれた佐々木君にも、昔に比べて男らしくなって、ますますカッコよくなった彼が佐々木君だってわかった私も。
十年ぶりの再会に思わず立ち尽くしてしまう。
すると彼はこちらへ真っ直ぐ向かってくると、受付の女性に声を掛けた。
「岡本弘子さん、僕の担当なので大丈夫です。僕からご家族にお話いたしますので」
「は、はい……! わかりました。よろしくお願いします」