溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「まぁね。私もバイト先の大学生の先輩に、一時期憧れていたからさ。まぁ、相手には彼女がいたから、どうにもならなかったんだけどね」

「そうだったんだ」

不思議、砂羽とは長年ずっと一緒にいたのに、こうして初めて聞く話もあることが。

「でも話してくれて嬉しいよ。……それに私に話そうって思ったのは、環奈はもう佐々木のことしか眼中にないからでしょ?」

「……う、んそうかも」

照れ臭くなりながらも認めると、砂羽も机に腕を乗せて私との距離を縮めてきた。

「そうだよね、十年も想い続けてくれて、環奈に家族と向き合うよう背中を押してくれたら、もうベタ惚れしちゃうよね! 私が環奈の立場でも、間違いなく佐々木に惚れちゃっていたと思うな」

アイスコーヒーを飲み、声を弾ませて言う砂羽に居たたまれなくなる。

「よかったね、お父さんたちと和解することができて。……ちゃんと明日、佐々木にも報告してしっかり告白してきなさいよ?」

「……うん、そのつもり」

背中を押してくれた佐々木君に、彩音たちとちゃんと話せたことを直接会って報告したい。

それから今度こそ「好き」って伝えるんだ。

「頑張ってこい。良い報告を聞けるのを楽しみにしているよ」

「ありがとう」

その後、砂羽と旦那さんのラブラブな話を聞いたりして楽しいひと時を過ごした後、夕食の準備に間に合うよう十七時には別れ家路に着いた。
< 216 / 279 >

この作品をシェア

pagetop