溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
クスリと笑みを零し中の様子を盗み見ると、途端に目を丸くさせてしまう。

「環奈はああ見えて、子供っぽいところがあるのよ。いまだにピーマンは食べられないし」

「へぇ、佐野ピーマン嫌いなんですね。ちょっと意外です」

おばあちゃんの話を顎に手を当てて感慨深そうに聞いていたのは、白衣を纏った佐々木君だった。

「しっかりしているようで、抜けているところもあるのよ。よく忘れ物するしね」

「そうなんですか。……あ、でもそれはちょっとわかる気がします」

口元を緩める彼の姿に、カッと身体中が熱くなる。

もう、おばあちゃんってば佐々木くんになにを話しているのよ。居たたまれなくなり、逃げ出したい衝動に駆られるも、ここで割って入らなかったらおばあちゃんに、洗いざらい私のことを話されてしまいそうだ。

意を決し、病室に足を踏み入れた。

「おばあちゃん」

声を掛けると、ふたり一斉に私を見る。

「あら、噂をすれば……」

「フフフ」と含み笑いすると、おばあちゃんは佐々木君を見つめる。
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