溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「聞いたわよ、環奈。佐々木先生とは高校の同級生だったんですって?」

「……うん」

返事をしながら佐々木君を見ると、にっこり微笑んだ。

「一年から三年まで同じクラスだったんです。岡本さんには申し訳ないですけど、卒業以来なので、こうして会えて嬉しい」

意味ありげな言葉に、ドキッとなる。

いや、会えて嬉しいのはただ単に、同級生としてだし! そう自分に言い聞かせないと勘違いしそうになる。

「あら、それじゃ私が病気になって良かったこともあったのね。安心したわー」

笑いながら話すおばあちゃんに思わず口を挟んだ。

「もう、おばあちゃん笑い事じゃないでしょ? どれだけ私が心配したと思っているの?」

お母さんを亡くした悲しさやお父さんに対する想いも、理解してくれるのはおばあちゃんだけ。

私にとっておばあちゃんは大切な存在。……そんなおばあちゃんが緊急搬送されたと聞いた時は、生きた心地がしなかった。

「佐々木君の言うことを聞いて、しっかり治してね」
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