溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
おばあちゃんからは、私が佐々木君に背中を撫でられているのが見えない。だから不思議そうに小首を傾げているわけだけど……。

再びチラッと彼を見ると、口角を上げ背中から手を離してくれた。

きっと私のことを想って背中を撫でてくれたのかもしれないけど、ドキドキして大変だった。

佐々木君ってこんなに大胆な人だった? 私が知っている彼は、どこか大人びていて同級生とは思えないような人だったはず。

昔の彼を思い出していると、さらに佐々木くんは驚きの言動に出た。

「佐野、今日はこの後予定ある?」

「え……この後? とくにはないけど……」

予定を聞かれ、ないことを伝えると佐々木君は微笑んだ。

「じゃあ食事に行かないか?」

「食事って……私と佐々木君で?」

思わず自分自身を指差し尋ねると、彼はクスリと笑う。

「あたり前だろ? 他に誰がいるんだよ」

「それはっ、そうだけどっ……!」

笑われて恥ずかしくなる。でも仕方ないじゃない? だってまさか佐々木君から食事に誘われるなんて、夢にも思わなかったから。
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