溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
少しだけ強い口調で言うと、おばあちゃんは私の気持ちを汲み取ったのか、申し訳なさそうに眉尻を下げた。

「そうね、早く治さないと。それに環奈の花嫁姿を見るまでは安心して死ねないわ」

「そ、そうだよ! ……まだまだその予定はないから、長生きして」

いずれ人間は死を迎えることは、嫌でもわかっている。けれど大切な存在だからこそそんな日が来ないことを、いつも祈っているんだ。

花嫁姿も見せたいし、曾孫も見せてあげたい。おばあちゃん孝行だってしたい。まだまだ元気でいてもらわないと困るもの。

ちょっぴりしんみりした気持ちに浸っていると、いつの間にか佐々木君は私の隣に立っていた。

そしてなにも言わず、彼の大きな手は私の背中を優しく撫でる。

びっくりして隣を見ると、彼は優しい眼差しを向けていた。まるで『よかったな』と言うように。

一瞬息が詰まり、胸が苦しくなる。慌てて視線をおばあちゃんに向けた。

「どうしたの環奈。……顔が赤いけど。暖房効きすぎかしら」

「えっ! あっ、ううん大丈夫違うの!」
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