溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
チラチラとメニューから彼の様子を窺っていると、佐々木君はメニュー表を見ながら、感慨深そうに話し出した。

「実は高校時代、ずっと憧れていたんだ」

「憧れていたって……?」

も、もしかしてファミレスでご飯食べることが? 佐々木君、ファミリーレストラン初めてなの? いや、でもたしか高校時代、何度か友達と来ているのを見かけたことがあったと思うんだけど……。

「佐野と学校帰りに寄り道して、こういうところに来るの」

「……えっ」

思いもよらない話にドキッとしてしまう。

すると佐々木君はメニュー表から顔を上げ、真っ直ぐ私を見つめた。

「何度か佐野が学校帰り、制服で友達とファミレスに寄り道しているところを見かけていたんだ。……俺もその時、ちょうど友達と一緒にいたけど、佐野は気づかなかっただろ?」

確信を得た目で話す佐々木君には悪いけれど違う。だって私も気づいていたから。

「ううん、気づいていたよ」

「――え」
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