溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
いやいや、本当どれだけ自惚れているのよ私! それに当時はって話で、今は違うと思うし! ……そうだよ、もう佐々木君に告白されて十年もたっているんだ。

きっと私のことなんて、再会するまで忘れていたはず。

こうして再会できて、懐かしくてあんなこと言ったに過ぎないよね。

少しずつ冷静になれてきて、無難なハンバーグを注文した。

それから彼とは高校時代の懐かしい話や、おばあちゃんの話をしながら時間は過ぎていった。


「佐々木君、ごめんね奢ってもらっちゃって」

店を出てすぐにお礼を言う。

割り勘のつもりでいたのに、佐々木君がスマートに会計を済ませてくれたのだ。

駐車場に向かいながら彼は、優しい口調で言った。

「なに言ってるの、誘ったのはこっちだから気にしないで。むしろファミレスでごめん」

「そんなっ……! ごちそうさまでした」

手を左右に振り頭を下げる。そして顔を上げると、なにか考え込んでいる佐々木君が目に入る。

「……佐々木君?」
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