溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
砂羽の旦那さんが今、どんな思いでいるのかわからない。でも親友として砂羽の気持ちを理解してくれないまま、彼女を家に帰したくないから。

すると砂羽は私の背中に腕を回した。

「……ありがとう」

涙声でお礼を言う砂羽を私はさらに強い力で抱きしめた。

誰かを好きになったら、その気持ちはずっと変わらないと思っていた。……でも理想と現実は違う。

私の気持ちも変わったし、お父さんの気持ちも変わった。砂羽の気持ちだって――。

頭をよぎるのは、佐々木君の顔。

佐々木君は嘘でも冗談でもなく、本気で告白してくれたと思う。……でも本当に変わらない気持ちなんてあるのかな。

それに佐々木君は、高校時代の私しか知らないよね? 自分では変わっていないつもりだけれど、大人になって変わった部分もあると思う。

今の私を知っても、変わらずにいてくれる?

砂羽を抱きしめながら、私の心は大きく揺れ動いていた。
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