社内恋愛狂想曲
「なるほど……すべてが計算し尽くされてるわけね……。ところでなんで瀧内くんはそれを見抜けたの?」

純粋に疑問に思ったので尋ねてみると、瀧内くんはげんなりした顔で大きなため息をついた。

「僕自身は見たくもないのに、なぜか修羅場とか浮気現場なんかにやたらと遭遇して、そのゴタゴタに高確率で巻き込まれてしまうんです」

それはなんとなくわかる気がする。

私も仕事以外ではほとんど出掛けないのに、たまに出掛けるとやたらと知り合いに会うのだ。

そういえば大学時代の友人は、歩いているとやたらと道を尋ねられると言っていた。

それってもしかして、特定の条件に当てはまる人や状況を引き寄せるセンサーみたいなものでもあるんだろうか。

なんにせよ、それによって瀧内くんが、本来ならしなくてもいい余計な苦労をしていることは間違いないだろう。

「だからここ数年は諸悪の根元というか、トラブルを引き起こす人間もなんとなくわかるようになってきたので、極力近付かないようにしてるんです」

なるほど、瀧内くんが奥田さんを生理的に受け付けないとまで言って嫌う理由はこれだったのか。

「それなのに奥田さんが入社したとき、僕は本当にイヤだったのに、席が隣ってだけの理由で奥田さんの教育係にされて……。奥田さんが仕事中に男を誘惑する瞬間を何度見たことか」

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