社内恋愛狂想曲
一夜明けて月曜日の朝。

昨日から私は、瀧内くんの言っていた“逆手にとる”方法をずっと考えている。

瀧内くんはどうすればいいとか明確な答は出さず、「僕だったら利用価値もない裏切り者は、二度と人前に顔を晒せないように吊し上げてやりますね」と冷ややかに笑っただけだった。

それによって瀧内くんが、私の中の『敵にまわしたくない人ランキング』でトップの座に躍り出たのは言うまでもない。

通勤電車に揺られている間も、頭の中では何人もの小さな私が、今週のスケジュールと今日の仕事の段取り、そして“社内恋愛を内緒にしていた利点を活かした浮気男の華麗な切り捨て方プロジェクト”について会議を開いている。

主任の私が今週の予定と今日の仕事の段取りを読み上げた後、会議の司会をしている私がホワイトボードに箇条書きにされた“社内恋愛(中略)プロジェクト”のこれまでの流れを読み上げる。

・特定の人を除いた社内のみんなは私と護が付き合っていることを知らない。

・護と奥田さんの関係もまた然り。

・護が奥田さんと浮気していることに私が気付いていることを、護は知らない。

・私と護が付き合っていることを奥田さんが知っていることに私が気付いていることを、奥田さんは知らない。

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