社内恋愛狂想曲
「葉月……茂森さんとの結婚だけど、おめでとう……でいいのかな?」

私がそう言うと、葉月は目をそらして笑った。

その作り笑いがやけに痛々しい。

「え、なんで?私、結婚するねんで?おめでとうでいいに決まってるやん」

「なんていうか……私も人のことは言えないんだけどね……。結婚って二人でするものでしょ?茂森さんがいい人で葉月のこと大好きなのはわかったけど、葉月は茂森さんが好き?ホントに茂森さんと結婚したいの?」

葉月は一瞬真顔になってから、ため息をつきながら苦笑いをした。

「将来のこと前向きに考えて決断したんやけどな。相手がシゲやったら絶対大事にしてくれるやろうし、浮気の心配とか不安とかなさそうやん?」

「それは茂森さんのこと好きじゃないから?」

「シゲのことは人として好きやし、好きじゃないからってのはちょっと語弊があるけどなぁ……。愛されて求められて嫁ぐのも幸せやと思わへん?」

葉月が言うように、愛され求められることもひとつの幸せなんだとは思う。

だけど本当にそれでお互いに幸せだろうか?

「それはそうかも知れないけど、葉月は茂森さんのこと男性として愛せる?」

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