社内恋愛狂想曲
葉月が席を外している間、私はひとりで冷めた料理をつつきながらビールを飲んで待っていた。

酔って足元がおぼつかないせいか、葉月が戻ってくるのが遅い気がする。

心配になって様子を見に行こうかと立ち上がりかけたちょうどそのとき、葉月は戻ってきた。

「大丈夫?遅かったから心配したよ」

「大丈夫やって。トイレめっちゃ遠かっただけ。片道1時間かかった」

「なんでやねん」

いつでも笑いを取りたがるいつもの葉月だ。

さっき泣いていたように見えたのは、私の気のせいだったのかな?

少し飲みすぎただけかも知れない。

飲みながら話しているうちにビールがなくなってしまい、更に追加したビールもあと少しでなくなろうとしている。

私にとってこれくらいはなんてことのない量だけど、普段の葉月の酒量を考えると今日は明らかに飲みすぎだから、そろそろやめさせないと。

「葉月、これ飲み終わったらそろそろ帰ろうか、送ってくから」

「えーっ、まだ6時45分やし!まだまだ飲めるし!全然とことんちゃうやん!」

「いや、それ6時45分じゃなくて9時半だから。それを見間違えるところがすでに酔っぱらいだよ」

「酔うとらんっちゅうねん!」

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