社内恋愛狂想曲
「よし、ハリセンボンだな。佐野、ペン持ってる?」
葉月と喧嘩していた伊藤くんが、どうして急に私にペンを貸せと言うのか?
まさか……それで葉月を刺したりはしないよね?
「持ってるけど……なんで?」
「ちょっと貸して」
いくらなんでもちょっと深読みし過ぎかなと思い直し、バッグからペンを取り出す。
「別にいいけど……ちゃんと返してね」
「ありがとう」
伊藤くんは立ち上がって私からボールペンを受け取ると、スライドドアに手をかけてくるりと振り返り、ビシッと葉月を指さした。
「ちょっと待ってろ。逃げるなよ」
「はぁ?なんで私が逃げなアカンねん!自分こそ逃げんなよ!」
まるで小学生の喧嘩みたいだと思ったのはきっと私だけではないと思う。
伊藤くんはみんなの分のコーヒーと葉月の水を買って戻ってきた瀧内くんと入れ替わりで車を降りて、急ぎ足でコンビニの中に入って行く。
「伊藤先輩、どうかしたんですか?」
「さぁ?嘘つくなとかつかないとか、葉月と言い合いしてたと思ったらペンを貸してくれって言って、貸したらいきなり車を降りて……」
葉月と喧嘩していた伊藤くんが、どうして急に私にペンを貸せと言うのか?
まさか……それで葉月を刺したりはしないよね?
「持ってるけど……なんで?」
「ちょっと貸して」
いくらなんでもちょっと深読みし過ぎかなと思い直し、バッグからペンを取り出す。
「別にいいけど……ちゃんと返してね」
「ありがとう」
伊藤くんは立ち上がって私からボールペンを受け取ると、スライドドアに手をかけてくるりと振り返り、ビシッと葉月を指さした。
「ちょっと待ってろ。逃げるなよ」
「はぁ?なんで私が逃げなアカンねん!自分こそ逃げんなよ!」
まるで小学生の喧嘩みたいだと思ったのはきっと私だけではないと思う。
伊藤くんはみんなの分のコーヒーと葉月の水を買って戻ってきた瀧内くんと入れ替わりで車を降りて、急ぎ足でコンビニの中に入って行く。
「伊藤先輩、どうかしたんですか?」
「さぁ?嘘つくなとかつかないとか、葉月と言い合いしてたと思ったらペンを貸してくれって言って、貸したらいきなり車を降りて……」