社内恋愛狂想曲
「シゲじゃなくてシキだ、間違えんなっつーの。人違いだかなんだか知らないけど、約束は守ってもらう。葉月は嘘つかないんだから、俺と結婚するんだろ?それともハリセンボン飲むのか?」

葉月も伊藤くんも、こんな小学生の喧嘩みたいなプロポーズで本当にいいのか?

いくらお互い好きでもなかなか素直になれないからって、今後の人生を左右する大事なことなんだから、もうちょっと冷静に話し合って決めた方がいいんじゃなかろうか。

「伊藤……そんな大事なことは、せめて木村がシラフのときにきちんと話して、二人で決めろよ」

三島課長も同じことを思っていたようで、なんとかして二人を落ち着かせようと仲裁に入る。

しかし伊藤くんは、頑として一歩も引かない。

「ダメです!こいつすぐに逃げるから、絶対に今じゃないと!」

「逃げへんし嘘もつかんって言うてるやんか!結婚したらええんやろ!」

葉月がムキになって言い返すと、瀧内くんが呆れた様子で盛大にため息をついた。

「伊藤先輩も木村先輩も子どもじゃないんですから……そういうときには、まず相手に言うべき言葉があるでしょう」

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