社内恋愛狂想曲
かなり迷うけれど、どうにも私はお節介を焼かずにはいられないサガらしい。

話が食い違っている理由がわかれば何かしら役に立てるかも知れないと思い、軽く探りを入れる。

「私、さっきから気になってるんだけど……“あの男”って誰?」

「あいつの幼なじみとかいう背の高い関西弁の男」

おそらく茂森さんのことだ。

伊藤くんはどうして茂森さんに会ったことがあるんだろう?

葉月と伊藤くんの言い分が食い違っていることにモヤモヤする。

「お互いに誤解とかすれ違いがあるんじゃない?別れた経緯に納得が行ってないなら、ちゃんと順を追って話せばどう?」

「……今さらだろ?どっちにしたってあいつは俺より幼なじみの男を選んだわけだから」

本当はまだ未練があるから結婚しろなんて言ったのだろうけど、葉月に負けず劣らず伊藤くんも意地になっているようだ。

どうにかならないものかと考えているうちに、車は伊藤くんのマンションに到着した。

葉月の住んでいるマンションからずいぶん近い。

本社に戻って来るときに、葉月の家からそんなに遠くないところを選んで部屋を借りたとしか思えない。

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