社内恋愛狂想曲
部屋が余っているようなことを言っていたけれど、もしかして葉月とヨリを戻せたら一緒に暮らすつもりで、わざと広い物件を借りたんじゃないかと思うのは勘ぐりすぎだろうか。

伊藤くんは私たちに「お騒がせして申し訳ありませんでした」と頭を下げて車を降りた。

私と瀧内くんは最寄り駅が同じだけど、私は駅の南側に住んでいて、瀧内くんの家は駅の北側らしい。

明日の朝が早いので早く帰りたいと言っていたし、道順も瀧内くんの家の方が近いので、先に瀧内くん、最後に私が送ってもらうことになった。

普段から口数の少ない瀧内くんが自分から積極的に話しかけてくることは滅多にないので、車中での会話はほとんど私と三島課長がして、たまに三島課長から話を振られた瀧内くんが相槌を打つか返事をするような感じだった。

三島課長の運転は乱暴なブレーキングも雑なハンドルさばきもなく、同乗者への気配りと優しさに溢れていて安心安全、とても快適だ。

こういうところにも人柄は出ると思う。

葉月と伊藤くんがいるときは気にする余裕もなかったけど、落ち着いてみると独身の三島課長がなぜミニバンに乗っているのかが気になる。

なぜなら三島課長の車は、千絵ちゃんの旦那さんが欲しがっている車と同じ車種なのだ。

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