社内恋愛狂想曲
大きな車を選んだ理由が人を乗せるためというところが、とても三島課長らしいなと思う。

きっと会社の同僚やバレーサークルのメンバーを乗せて遊びに行ったり、今みたいにそれぞれの家まで送り届けたりもするんだろう。

本当に面倒見のいい人だ。

信号が青に変わる直前、ようやく笑いのおさまった瀧内くんが、「そうだ」と呟いた。

「今度佐野主任も練習に参加してみませんか?」

「えっ、私が?」

「佐野主任も確かバレーボール経験者なんですよね」

「うん、まあ……そうなんだけど……」

経験者と言っても、私がバレーボールをしていたのは小学4年から小学校を卒業するちょっと前までのことだ。

もう何年……いや、十何年もブランクがあるから、あの頃のように機敏には動けないだろう。

コートの中で顔面にボールをぶつけてぶっ倒れるみっともない私の姿が容易に想像できる。

「いや、やっぱり無理だよ……。私がやってたのは子どもの頃だから」

「僕も中1の夏休み前にはバレー部辞めてますけど、子どもの頃に覚えたことって体が覚えてるから、意外と動けるもんですよ」

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