社内恋愛狂想曲
護が肉料理好きなのは本当で、だいたい肉さえあればご機嫌だ。

だけどレバーとピーマンが大嫌いなので、レバニラ炒めとピーマンの肉詰めなんか作ったら、一瞬で不機嫌になる。

私の話を鵜呑みにしてレシピサイトで調べたりなんかして、必死になって大量に作って、イヤな顔をされればいい。

それでもし護がイヤな顔もせず食べてくれたら、護は体だけでなく、ちゃんと奥田さんのことが好きってことだと思う。

もしかしたらこれを機に奥田さんが料理を猛特訓して、美味しい料理で護の胃袋を掴んでセフレから本命になれたとしたら、恨まれるどころかむしろ感謝されてもいいくらいなんじゃないか。

『料理上手は床上手』なんて言葉を聞いたことがあるけれど、私は料理はそこそこできても残念ながら床上手ではないし、奥田さんは真逆だと思う。

こういうのを『足して2で割るとちょうどいい』って言うんだろうか。

いやいや、何ができようができまいが私は私だし、奥田さんと足されても割られても困るけど。

そういえば私は奥田さんに見栄を張るためにここに来たんじゃない。

とりあえずブライダル雑誌は買うことにして、瀧内くんとの約束の時間まで、もう少し書店の中を見て回ろう。

「じゃあ、私はこれで」

「あ、はい。お疲れ様です……」
< 220 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop