社内恋愛狂想曲
どうやら葉月とのことを話したいらしい。

このあと瀧内くんとの約束があるけど、待ち合わせの時間まではまだ少し時間がある。

三島課長の偽婚約者の話を伊藤くんも知っているのなら、同席しても大丈夫だろうか。

「瀧内くんと晩御飯の約束してるんだけどね。出先で少し話が長引いたから遅れるって言われてるんだけど、一緒でもいいか聞いてみようか?」

「そうだな……あいつにも迷惑かけたし、ちゃんと事情話して謝っとかないとな」

そろそろ会社に戻って帰り支度をしている頃だろうと思い電話を掛けると、5度目の呼び出し音の途中で瀧内くんが電話に出た。

『もしもし、瀧内です』

「もしもし、瀧内くん?佐野です」

『はい、その節はどうもお世話になりました』

ん?なんだかおかしな受け答えだ。

「このあとのことなんだけど……」

『あー、なるほど。今その案件の資料が手元になくてですね。すぐに折り返しますので、電話を切って少しお待ちいただいてもよろしいでしょうか。はい、よろしくお願いします』

瀧内くんは何がなんだかわからない言葉を並べ立て、電話を切ってしまった。

一体いつから私は瀧内くんの担当する取引先になったのだろう?

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