社内恋愛狂想曲
「んー……いい、自分で買うよ。伊藤くんも近いうちに必要になるかも知れないし」
「……それはないな。佐野が来てくれるなら別だけど?」
「それはないな」
軽口をたたきながらレジへ向かっていると、こちらをじっと見ている奥田さんの姿が視界の片隅に入り込んだけれど、あえて気付かないふりをした。
もしかしたら護に何か吹き込むつもりかも知れないけれど、私にはやましいことなんてないから気にしない。
駆け引きの材料はうまく使うべきだよね、と思いながら、込み上げてくる笑いをこらえて書店を後にした。
平日だというのに、夕食時のファミレスはそれなりに混雑している。
それでも運良く待ち時間なしで案内され、伊藤くんは入り口に背を向けて座り、私は入り口の見える奥の席に着いた。
とりあえず二人ともドリンクバーを注文して、アイスコーヒーを用意した。
さあ、どこをつついて何から聞き出してやろうかしら。
伊藤くんはアイスコーヒーを飲みながら、チラッと私の様子を窺う。
「佐野、なんか怖いよ」
「そう?プロポーズした相手の目の前で別の人に婚姻届突き付ける人よりはましだと思うよ?」
「……それはないな。佐野が来てくれるなら別だけど?」
「それはないな」
軽口をたたきながらレジへ向かっていると、こちらをじっと見ている奥田さんの姿が視界の片隅に入り込んだけれど、あえて気付かないふりをした。
もしかしたら護に何か吹き込むつもりかも知れないけれど、私にはやましいことなんてないから気にしない。
駆け引きの材料はうまく使うべきだよね、と思いながら、込み上げてくる笑いをこらえて書店を後にした。
平日だというのに、夕食時のファミレスはそれなりに混雑している。
それでも運良く待ち時間なしで案内され、伊藤くんは入り口に背を向けて座り、私は入り口の見える奥の席に着いた。
とりあえず二人ともドリンクバーを注文して、アイスコーヒーを用意した。
さあ、どこをつついて何から聞き出してやろうかしら。
伊藤くんはアイスコーヒーを飲みながら、チラッと私の様子を窺う。
「佐野、なんか怖いよ」
「そう?プロポーズした相手の目の前で別の人に婚姻届突き付ける人よりはましだと思うよ?」