社内恋愛狂想曲
瀧内くんが心の底からモナちゃんを迷惑がっているということだけは、しみじみと伝わってきた。

もしかしたら三島課長本人よりも迷惑がっているんじゃないだろうか。

「どうしても無理なら他の人にお願いするしかないですね……」

さっきまでとは打って変わって、瀧内くんは捨てられた気弱な子猫みたいな顔でうつむいてしまった。

「優しい佐野主任なら僕らを助けるつもりで引き受けてくれるんじゃないかと、一縷の望みを託したんですけど……仕方ないです」

なんだ、この罪悪感は?

これは私の母性本能と良心に訴えかけてくる作戦なのか?!

瀧内くんはシュンと肩を落として、すっかり冷めてしまったコーヒーを悲しそうに飲んでいる。

ああ……!私、この子たちがこんなに困っているのに、黙って見過ごすなんてできない……!

「わかったから……!だけどせめて三島課長のいるところで話してから決めましょう」

思わずそう言ってしまった後で、瀧内くんの口角が上がるのを見てしまった。

目の前にいるのは捨てられた子猫のような、いたいけな子などではない。

Sっ気の強いいつもの瀧内くんがニヤリと笑っている。

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