社内恋愛狂想曲
「因果応報って言葉、知ってるでしょう?いくらうまく隠したつもりでも、自分のしたことは自分に返って来るようになってるんです」

確かに私は真剣に護と付き合っていたし、浮気したのは護であって、私が引け目を感じる必要なんか何ひとつない。

どれだけ控えめに考えても、もしバチが当たるとすれば私より護の方だと思うし、そうでなければ不公平すぎる。

「佐野主任は何も悪いことしてないんだから、堂々としていてください。いざとなったら、僕らが佐野主任の味方をしますからね」

そんな風にハッキリと言い切ってもらえると、私はひとりじゃないんだと思えて、とても心強い。

「そっか……そうだね……うん、そうする」

「じゃあそろそろ行きましょう。僕、お腹が空きました」

瀧内くんはチョコを食べたばかりのその口で「お腹が空いた」とのたまって、荷物を持ってさっさと歩き出した。

「ちょっと待って!」

私が慌ててコーヒーを飲み干して席を立つと、瀧内くんは少し笑って振り返る。

「急いでください。早くカレー食べたいです」

食べ盛りの子どもか!と心の中で突っ込みを入れながらチョコを口に入れて、急ぎ足で瀧内くんの後を追った。


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