社内恋愛狂想曲
スーパーから徒歩で5分足らずのところに、三島課長の家はあった。

てっきり単身者向けのマンションとか、小さな子どものいるファミリーに人気の単身者にはゆったりした広さのハイツとか、とにかくそういった集合住宅に住んでいるものだと思っていたのに、私の予想に反して三島課長の家は一戸建てだった。

少々年季は入っているものの、よく手入れが行き届いていて古びた感じはない。

しかもサラリーマン世帯が夢見る平均的な大きさのマイホームと比べてもかなりの大きさだ。

「えっ、ホントにここであってる……?!」

「もちろんあってますよ」

瀧内くんは立派な門扉の横に掛かっている『三島 潤』と書かれた表札を指さした。

「ねっ、あってるでしょ?」

「そのようですね……」

瀧内くんは慣れた手つきで門扉を開き、自分の家のように遠慮なく敷地内に入って行く。

私も慌てて中に入り門扉を閉めて瀧内くんの後を追った。

何年も同じ会社に勤めて親しくしてもらっているから、仕事ができることとか人柄の良さとか、三島課長のことを少しは知っているような気になっていたけど、会社から一歩出ると知らないことはまだまだいろいろあるようだ。


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