社内恋愛狂想曲
「……勝手に先走って、余計なこと言ってすみません……」

「いや、佐野は悪くないから謝らなくていいよ。でもこればっかりは自分が頑張らないといけないんだ」

瀧内くんはどうしても私を三島課長の偽婚約者に仕立てあげたいようだったけど、私は三島課長本人の気持ちを尊重するべきなのだと思う。

でもやっぱりお節介な私の性格上、気になるものは気になるのだ。

「わかりました。でも困ったことがあったらいつでも頼ってくださいね」

「ありがとう。じゃあそのときは頼むよ」


三島課長の車を見送って家に帰り、お風呂から上がると、瀧内くんからトークメッセージが届いていた。

【今日はお先に失礼してすみませんでした。
おかげで無事に荷物を受け取ることができました。
明日は全員でお酒が飲めるように、泊まりの準備をしてきてください。もちろん木村先輩にも伝えてあります。明日もよろしくお願いします】

メッセージを読みながら、思わず「えっ、泊まりの準備?!」と声に出して驚く。

確かに広い家だから部屋はたくさん余っているだろうけど、勝手にそんなことを決めていいんだろうか。

三島課長の許可はもらってあるのかと尋ねると、一瞬で【もちろんです】と返事が届く。

三島課長はそんなことは言っていなかったけど、私を送った後に瀧内くんと連絡を取ったのかも知れない。

確かに私たちが電車やタクシーを使って自力で帰ると言うと、三島課長のことだからお酒を飲まずに車で送ると言いそうだ。

念のため準備だけはしておくことにしよう。


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