社内恋愛狂想曲
伊藤くんから聞かされた合コンの席での護の戯言を話すと、葉月は相当腹が立ったらしく、両手を握りしめて枕をボスボス殴り付けた。

「あいつは女の敵や!絶対に許せん!!煮るなり焼くなりして、とことん痛め付けたれ!私が許す!!」

会長の孫と付き合っているとか、逆玉の輿の野望を言いふらしていたということは、もしかしたら護は私と付き合ってることも同僚に話しているのではないかと心配になって、ここに来るまでの道のりで伊藤くんに尋ねたところ、誰と付き合っているのかは一応内緒にしているようだと教えてくれた。

合コンの席では護の口から私の名前は一度も出てこず、伊藤くんが翌日護のスマホの画像を見て私と付き合っていることを知ったという話は本当のことだけど、護が合コンで吹聴していた内容はあまりにひどすぎたので、私には言わなかったらしい。

「嘘でもあんな風に好きだって言えるもんなんだね。そんな男だって知ってたら好きにならなかったのに、それがショックで……。私の名前を出すと浮気がしづらいから、周りには内緒にしてるのかな?」

「それはあるかも知れんな。相手に本気になられて修羅場になるんが面倒なんやわ。現に奥田は橋口の彼女が志織やって気付いて、早く別れたらええのにとか言うて絡んできてるんやろ?多分他にも女がおること知らんのやで」

そう考えると、もし奥田さんが本気で護のことを好きなのであれば、それはそれでかわいそうな気もする。

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