社内恋愛狂想曲
だけどそれは奥田さんの問題だから、私がどうこうする必要はない。

私だって護の野望に巻き込まれて利用された被害者なんだから。

本気で好きだった分だけ傷も深い。

「なんかもうバカらしくて、別れ話する気にもなれないから、このまま勘違いさせておこうか」

「それでええんちゃう?そろそろ結婚したいってエサちらつかせてヌカ喜びさせといて、別のもっといい人と結婚するとか?」

「それはきついねぇ……」

葉月の提案は、千絵ちゃんや三島課長の過去の痛手を思い出させた。

護を痛め付けてやりたい気持ちはもちろんあるけれど、もし自分がそうされたら立ち直れないだろうなと思う。

因果応報という言葉もあるし、もしそれが本当に起こるのならば、何人もの女性の心と体を弄んだ護には、私が手を汚さずとも必ず天罰がくだるはずだ。

「もう護とどうこうしたいとは思ってないけど、いずれはちゃんとケジメつけないといけないんだよね」

「志織の気が済むようにしたらええと思うよ。悪いのは橋口の方やし、志織が泣き寝入りする必要はないと思うで」

「そうだね。どうするべきか、もう少しよく考えてみるよ。じゃあ……もう遅いし、そろそろ寝ようか」

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