社内恋愛狂想曲
私が部屋の電気を消そうと照明のリモコンに手を伸ばすと、葉月はニヤニヤしながら布団に潜り込んだ。

「せやな。明日は三島課長とデートやし、いざっちゅうときに備えてしっかり寝んとな」

「いざってとき……?」

「もしかしたら、なんとなくええ雰囲気になって……とかいうことも、ないとは言い切れんしなぁ」

そう言って葉月は両腕を胸の前で交差させ、首を少し傾けるようなしぐさをした。

「荒れた肌を至近距離で見られとうないやろ?」

それはまさか、もしかして……?!

そんなことがあるはずもないのに、頭の中でドラマか何かで見たようなキスシーンが、私と三島課長の配役で勝手に再生された。

三島課長が私の名前を呼びながら頭を引き寄せ、唇を近付ける。

途端に心臓が大きな音を立てて暴走し始め、私は顔を真っ赤にしてそれを必死で打ち消した。

「もう!またそんなことばっかり言って!三島課長がそんなことするわけないでしょ?!」

「そうかぁ?いくらええ人でも、三島課長かって男やで」

葉月に冷やかされて、照れくささと恥ずかしさで、また少し胸の奧がムズムズした。

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