社内恋愛狂想曲
一昨日キッチンを借りたときにも思ったけど、独身男性の一人暮らしにしては調味料や調理器具がそろっているし、料理をする手付きもやけに手慣れているから、この様子だと三島課長は普段から自炊をしているに違いない。

「料理は普段からされてるんですか?」

「簡単な家庭料理くらいはひととおりできるよ。父子家庭だったからな」

料理をするようになったきっかけがなんであれ、料理のできる男性は私の周りにはあまりいないし、食べる専門で文句ばかりが一人前の護と付き合っていた私にとってはとても新鮮だ。

共働きの多い現代社会において、きっと今後は男性にとっても料理は必須になると言っても過言ではない。

「それにあいつらが頻繁に飯をたかりに来るから、だんだんレパートリーが増えて今に至る」

「あいつら?」

「瀧内と伊藤」

そういえば3人の関係が気になってはいたけど、昨日はなんとなく聞けなかった。

普通は上司の自宅まで部下がごはんをたかりに来たりはしないだろうし、仕事の後や休みの日に同じサークルでバレーをやって、おまけに上司に送り迎えまでさせるなんて、3人は上司と部下よりももっと親密な近しい関係なんじゃないだろうか?

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