社内恋愛狂想曲
「ずいぶん仲がいいんですね」

「仲がいいっていうか……子どもの頃から面倒見てたから、ほっとけないっていう方が合ってるな」

「子どもの頃から?」

予想外の言葉に驚き、剥いた玉ねぎを包丁で切る手を止めて三島課長の方を見ると、三島課長もお米をゆすぎながら私の方に顔を向けた。

「うちの親は来るし、昨日は驚いただろ?」

三島課長は私が気になっていたのもお見通しのようだ。

「はい、まぁ……。ただの同僚ではないのかなって……」

驚いたのは事実だし、隠してもしょうがないので本音を言ってみると、三島課長は研いだお米をボウルに張った水に浸し、手を拭きながら苦笑いをした。

「だよな。あいつら、俺のいとこなんだよ」

「……いとこ?」

三島課長は冷蔵庫から卵を取り出し、慣れた手つきでボウルに割り入れ、菜箸でかき混ぜる。

「前にも話したけど、うちの両親は俺が中学のときに離婚して……」

三島課長の話によると、三島課長の母親と瀧内くんの父親と伊藤くんの母親が兄弟で、どの家庭も子どもは一人で、すぐ近所に住んでいたこともあり、三島課長たちは兄弟のように仲良く育ったらしい。

< 315 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop