社内恋愛狂想曲
映画を観た後、三島課長と私は海の見えるカフェで休憩がてら軽い昼食を取ることにした。

三島課長はさっきから何か考えているようだ。

「どうかしました?」

私が尋ねると、三島課長はサラダのレタスをフォークでつつきながら首をかしげた。

「いや、さっきの映画だけど……あんな胸くその悪い話がどうして人気なんだろうと思って」

「私もそう思います。あんな話のどこで感動すればいいのか……」

「だよな」

私と三島課長は、その辺の価値観は似ているらしい。

作り話だと思うからまだ観ていられたけど、現実にそんなことがあったらと思うと身震いがする。

いや、似たようなことはあるのかも知れないけれど。

「そういえば……なりゆきでこんなことになってるけど、本当に良かったのか?さすがに彼氏には言えないよな」

どうやら三島課長はそのことが気になっていたようだ。

「そうですけど……潤さんも好きな人がいるんですよね?」

三島課長は小さく「そうだな」と呟いて、パスタをフォークに巻き付ける手を止めた。

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