社内恋愛狂想曲
伊藤くんはいつのまにか、2階のギャラリーで練習を見学していた葉月のそばにいて、二人で楽しそうに会話している。

「見学に来た彼女もすごい美人さんだけど……もしかして伊藤くんの彼女?」

仲睦まじい二人を見上げる私たちのそばに里美さんがやって来て、こそっと尋ねた。

「そうなんです。彼女も会社の同僚で……」

「お宅の会社は美男美女しかいないの?」

「いえ、そんなことは……」

モデル張りに美人な葉月はともかく、私は見た目も中身も至って普通なのに、散々美人だとお世辞を言われて恐縮してしまう。

「三島くんとは付き合ってからもう長いの?」

「いえ……前は同じ部署にいたので同僚としては6年以上ですけど、お付き合いを始めてからはまだ3ヶ月ほどで……」

三島課長と打ち合わせた通りに答えると、里美さんは何やら納得した様子だった。

「あー……だから三島くんは全然眼中になかったのね」

里美さんはひとりごとのように呟く。

それはもしかしてモナちゃんのこと?

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