社内恋愛狂想曲
「無理するなよ。あんまり張り切りすぎると肩壊すぞ」

「あ……つい力が入ってしまって。気を付けます」

そんなやり取りをしていると、ウォーミングアップを終えたモナちゃんが三島課長の後ろに並んだ。

そして私と三島課長の足元を交互に見る。

「潤さん、シューズ替えたんですね」

驚いたことに、モナちゃんは三島課長のシューズまで覚えているようだ。

それだけ三島課長のことを見ているのだとわかる。

「うん、替えたよ。昨日、中村の店で買った」

「ふーん……志織さんと色違いのおそろいなんだ……」

女子の勘が働いたのか、モナちゃんは面白くなさそうな顔をして呟いた。

きれいに描かれた眉を寄せて、手に持ったボールをバシバシ叩いている。

モナちゃんは順番が回ってくると、一本目から驚異的な跳躍で、ストレートのコースに見事なアタックを決めた。

ボール拾いがてらレシーブに入っていたメンバーが、その威力の強さにおののいて、一歩も足が出なかった。

怖い怖い怖い……!

他のみんなは何も言わなかったのに、モナちゃんはシューズを見ただけで、私と三島課長がただの同僚ではないことに気付いたのではないだろうか?

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