社内恋愛狂想曲
「……すごいですね……」

「ああ……いつも平日に体育館借りてる中学校のエースだったんだって。あと一歩のところで全国大会を逃したらしい」

「道理で……」

もし三島課長を掛けてアタックで勝負しろと言われたら、私には1ミリたりとも勝ち目はないなと思いながら打った私の渾身のアタックは、モナちゃんに比べるとやっぱりへなちょこだった。

次の休憩時間、また三島課長とのことで絡まれるのは面倒だと思った私は、伊藤くんと一緒に2階のギャラリーで見学している葉月の元へ急いだ。

「志織、お疲れさん」

「うん……疲れた……」

葉月はニヤニヤしながら私の肩を叩く。

他人事だと思って楽しんでいるんだろう。

だけど私はあんな状態でも、葉月が華麗にアタックを決める伊藤くんをキラキラした目で見つめていたことを、見逃してはいなかった。

「ダーリンの勇姿はどうだった?」

「だから誰がダーリンやねん!」

「伊藤くんしかいないでしょ。カッコ良かったねぇ。伊藤くんを見る葉月の目、キラキラしてハートになってたよ」

「なってへんわ!」

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