社内恋愛狂想曲
私に冷やかされてよほど恥ずかしかったのか、葉月は思いきり顔をしかめた。

伊藤くんは複雑そうな顔をして、笑いながらスポーツドリンクを飲んでいる。

これ以上冷やかすと葉月が怒って帰ってしまいそうなので、私はこれくらいで勘弁してやることにした。

「冗談はさておき……あのモナちゃんって子、かなり手強そう」

「ああ……めちゃめちゃうまいな。あの細い体であんな強烈なアタック打つからビックリしたわ」

「美人は何しても美人なんだってことがわかったよ」

私がそう言ってやけ酒のように勢いよくスポーツドリンクを飲むと、葉月は少し首をかしげた。

「そうか?あの子、そんなに美人ちゃうで」

「それは葉月が美人だから言えるんだよ。私はこんなに普通なんだよ?若さと顔面の偏差値で勝負したら敵いっこないって」

「いや、ホンマに。女は化粧で化けるしな。あの子、化粧落としたらかなりの地味顔やで」

葉月が私を慰めるためにそう言っているのかと思ったけれど、どうやらそうではないらしい。

葉月はかなり真剣な顔をしている。

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