社内恋愛狂想曲
「言ったよ。でも付き合い始めたのはそのあとだから」

「私、本気で潤さんのお嫁さんになりたいんです。そのためならなんでもします。こんなに好きなのに、歳が離れてるからダメなんて納得できません。どうしたら志織さんより私のことを好きになってもらえますか?」

……これは婚約者の私に対する宣戦布告?

普通は婚約者の目の前で、こんなこと言わないよね?

実際には付き合ってもいないのだけど、なんとなく胸の奥がモヤッとした。

それが顔に出てしまったのか、里美さんが慌ててモナちゃんをなだめる。

「モナちゃん、ちょっと落ち着いて」

「だって……潤さんに似合うように大人っぽくしようってどんなに頑張っても、歳だけはどうにもならないじゃないですか……」

私はただ歳が近いからというだけの理由で、三島課長の婚約者になれたのだと言われているようだ。

いや、“私だって潤さんとの年齢差さえなければ、あなたになんか負けないのに”と言いたいのではないか。

“潤さんが好きだから結婚したいと言ったのは、彼女より私の方が先だったのに!”

そんな風に聞こえなくもない。

それは護に浮気されて“3年も付き合ってきて結婚も考えていたのに、まさか裏切られるなんて!”と嘆いていた私自身の言葉と、なんとなく似ているような気がした。

< 392 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop