社内恋愛狂想曲
なんとなく想像がついて、瀧内くんと奥田さんの激しい温度差に思わず笑いそうになったけれど、今は笑っている場合ではない。

「それにしてもさ、私が言うのもなんだけど……何も護の見てる前で瀧内くんに迫らなくてもよくない?彼氏じゃなくても一応そういう関係なんだから、普通は気にするよね?」

「気にする人は最初から彼女がいる男と付き合ったりしませんよ。自分になびかない男なんていないとでも思ってるんでしょう」

瀧内くんのこの言葉には、妙に納得してしまった。

なるほど、それもそうだ。

奥田さんは何度断られても、しかも護の見ている前でグイグイ瀧内くんに迫れるくらい図太い神経の持ち主なんだろう。

もし護の彼女が上司の私だとわかっても、まったく気にしないのかもしれない。
 
「でも最近は橋口先輩が自分にのめり込んできて物足りないから、新しい男を求めて僕に声をかけるんじゃないですか?自分のものになると興味がなくなる人っているでしょう」

「ヤキモチ妬かせたいとかじゃなくて?」

「略奪が趣味とか付き合っている男が常に複数いるとか、奥田さんが仲良くしてる女子たちが社員食堂で噂してました」

「えーっ……」

驚く私たちとは対照的に、瀧内くんはしれっとしてビールを飲んでいる。

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