社内恋愛狂想曲
「ちょっとノイズは多いけど、だいたいは録れてそうです。最近のスマホは本当に高性能で便利ですね」

「まさかこんなことにそれを使うとは……なんかもったいないね」

「さて……これをどう使うのかが問題ですね。あとは志織さん次第です。もちろん協力は惜しみませんよ」

いつもよりさらに冷たい瀧内くんの微笑みに背筋が寒くなった。



午後も忙しく仕事に励み、なんとかきりの良いところで仕事を終えると、時刻は8時を少し回ったところだった。

仕事が終わったと三島課長にメッセージを送ると、すぐに返信が届く。

【お疲れ様。俺も今終わったところ。エレベーターホールで待ってる】

急いで帰り支度を済ませて小走りでエレベーターホールへ行くと、三島課長はスマホを見ながら待っていた。

その姿を見たとたんに昨日の電話の三島課長の甘い言葉を思い出して鼓動が急激に速くなり、また顔が熱くなる。

……なに食わぬ顔をしていようって決めていたのに。

小走りをやめてできるだけ普通に振る舞おうと、歩きながら呼吸を整えた。

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