社内恋愛狂想曲
それは私に、三島課長の優しさに妙な勘違いを起こすなとでも言っているのか?

だけどあいにく私は、三島課長には好きな人がいることくらい知っているし、勘違いなんかしていない。

ただ私が一方的に好きになってしまっただけだ。

「佐野さんは三島くんの3つ下だっけ?ということは……」

「29歳です」

「まだ20代かー……いいなぁ。佐野さん美人だからモテるでしょ?」

「いえ、まったくそんなことは……」

私は特に美人でもないし、スタイルがいいわけでもない。

自分で言うのもなんだけど、特に目立つこともなく、見た目も中身もごくごく普通のOLだと思う。

もちろん今までの人生において、モテ期らしきものは一度もなかった。

自分の方が私よりずっと美人だとわかっているだろうに、一体何が言いたいのだろう?

「三島くんから聞いたかも知れないけれど……私と三島くん、昔つきあってたの」

まさか下坂課長補佐が自らその話をするとは思っていなかったから、不意を突かれて驚き、一瞬呼吸が止まるかと思った。

下坂課長補佐は私のそんな様子を気にする様子もなく話を続ける。

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