社内恋愛狂想曲
「三島課長、私……」
思いきって話を切り出そうとすると、三島課長はそれを遮るように口を開く。
「あのさ……この間からずっと気になってたんだけど……呼び方、元に戻ってる。なんで?」
意図的にそうしていたわけではないけれど、そう言われてみればそんな気もする。
だけどもう婚約者のふりをしたり、恋人らしく振る舞う必要なんてないのだから、呼び方も元に戻していいはずだ。
「あんまり名前で呼び慣れると会社で間違えて呼んじゃいそうだし……それにモナちゃんの件も落ち着いたから、もう恋人らしくする必要はありませんよね」
できるだけいつも通りの調子で、当然のことのようにそう言うと、三島課長は足を止めて眉間にシワを寄せる。
「……それって……彼氏に何か言われたから?」
三島課長は私が護と付き合っていたことも、別れたことも知らないから、私がまだ彼氏と付き合っていると思っていても仕方ない。
簡単に言い逃れるためなら彼氏を理由にしても良いのだろうけど、私がもう婚約者のふりをすることができない理由だけはきちんと話しておきたい。
「彼氏とはこの間やっと話をつけて別れたんですけど……実は私、その少し前から好きな人がいるんです」
「好きな人……?彼氏じゃなくて?」
思いきって話を切り出そうとすると、三島課長はそれを遮るように口を開く。
「あのさ……この間からずっと気になってたんだけど……呼び方、元に戻ってる。なんで?」
意図的にそうしていたわけではないけれど、そう言われてみればそんな気もする。
だけどもう婚約者のふりをしたり、恋人らしく振る舞う必要なんてないのだから、呼び方も元に戻していいはずだ。
「あんまり名前で呼び慣れると会社で間違えて呼んじゃいそうだし……それにモナちゃんの件も落ち着いたから、もう恋人らしくする必要はありませんよね」
できるだけいつも通りの調子で、当然のことのようにそう言うと、三島課長は足を止めて眉間にシワを寄せる。
「……それって……彼氏に何か言われたから?」
三島課長は私が護と付き合っていたことも、別れたことも知らないから、私がまだ彼氏と付き合っていると思っていても仕方ない。
簡単に言い逃れるためなら彼氏を理由にしても良いのだろうけど、私がもう婚約者のふりをすることができない理由だけはきちんと話しておきたい。
「彼氏とはこの間やっと話をつけて別れたんですけど……実は私、その少し前から好きな人がいるんです」
「好きな人……?彼氏じゃなくて?」