社内恋愛狂想曲
思いがけず私の元に戻ってきたということは、もしかしたら何かいいことでもあるのかもなどと思いながらプリンを食べた。

やっぱり千代子おばちゃんの作るプリンは絶品だ。

大人の男性まで虜にしてしまうほどよい甘さの甘すぎないプリンが、優しく舌の上でとろけるような食感、そして甘さとほろ苦さの割合が絶妙なカラメルソースがたまらない。

次の一口を早く食べたくて、スプーンを口に運ぶ手が止まらず、夢中になってプリンを味わう。

プリンの美味しさを堪能してホッとひと息つくと、また誰かが私の目の前にプリンを置いた。

驚いて顔を上げると、すぐとなりに三島課長が立っていた。

そしてさっきまで有田課長が座っていた席に座る。

「あっ……お疲れ様です……」

口のまわりにケチャップやカラメルソースなんかがついていないかと、慌てて紙ナフキンで口元を拭う。

「お疲れ……。どういうわけか今日も買えたから、もし佐野に会ったら渡そうと思って買ってみたんだけど……」

プリンが大好きな恋人の下坂課長補佐に買ってあげるならわかるけど、どうして私に?

「私にですか?でも今食べたところで……」

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