社内恋愛狂想曲
「いや、佐野主任が美人じゃないなんて言ってないよ?補佐がついていいなぁって言っただけで。……っていうかむしろ佐野主任は俺の優秀な右腕だから、生産管理課に補佐は要らない。うん、必要ないな」
「私はいつから有田課長の右腕になったんでしょうかねぇ……。右腕、2本も要りますか?」
有田課長の調子の良さに半ば呆れて、小姑のようないやみを言ってみる。
「あーっ……右腕というか女房役みたいな?とにかく悪気はまったくないんだ。晩飯おごるから機嫌直して!」
女房役ってなんだ、野球選手じゃあるまいし。
「牛丼並盛りくらいじゃ許しませんよ。どうせなら同じ牛でも高級焼肉にしてください」
「高級焼肉はちょっと……。どうにかハンバーグくらいになりませんか?」
「……仕方ないですね。それでは松阪牛のハンバーグで手を打ちましょう」
いつもの調子で有田課長と軽口を叩いていると、下坂課長補佐はおかしそうに笑っていたけれど、三島課長は無言のまま階数表示の数字をじっと見つめていた。
1階についてエレベーターの扉が開くと、有田課長は私の“松阪牛”が聞こえていないかのように、三島課長たちの方に向かってひきつった笑いを浮かべた。
きっと助けを求めているんだろう。
「私はいつから有田課長の右腕になったんでしょうかねぇ……。右腕、2本も要りますか?」
有田課長の調子の良さに半ば呆れて、小姑のようないやみを言ってみる。
「あーっ……右腕というか女房役みたいな?とにかく悪気はまったくないんだ。晩飯おごるから機嫌直して!」
女房役ってなんだ、野球選手じゃあるまいし。
「牛丼並盛りくらいじゃ許しませんよ。どうせなら同じ牛でも高級焼肉にしてください」
「高級焼肉はちょっと……。どうにかハンバーグくらいになりませんか?」
「……仕方ないですね。それでは松阪牛のハンバーグで手を打ちましょう」
いつもの調子で有田課長と軽口を叩いていると、下坂課長補佐はおかしそうに笑っていたけれど、三島課長は無言のまま階数表示の数字をじっと見つめていた。
1階についてエレベーターの扉が開くと、有田課長は私の“松阪牛”が聞こえていないかのように、三島課長たちの方に向かってひきつった笑いを浮かべた。
きっと助けを求めているんだろう。