社内恋愛狂想曲
「そうだ、これから佐野主任と食事に行くんだ。すぐそこの洋食屋でハンバーグでも一緒にどう?」

会社の近くの洋食屋には松阪牛のハンバーグなんて置いていない。

有田課長め、三島課長と下坂課長補佐をだしにして、なんとかごまかそうとしているな。

……いや、むしろ問題はそこじゃない。

牛丼でもラーメンでもなんでもいいけど、どうして私がこの二人と一緒に食卓を囲まねばならんのだ?

エレベーターが一緒になったことでさえ胸が痛んだのに、これ以上二人の仲睦まじい姿なんて見たくない。

三島課長は少し困った顔をしている。

きっとこれから下坂課長補佐と二人で食事にでも行くつもりだったのだろう。

「有田課長、無理にお誘いするのは良くないですよ。やっぱり牛丼中盛りとサラダと味噌汁で手を打ちますから、二人で牛丼屋に行きましょう」

「えっ、マジか!俺、佐野主任のそういう男前なところ大好き!よし、そうと決まればすぐ行こう!お新香も付ける!」

「誰が男前ですか。ホントに調子がいいんだから……」

やっぱり有田課長に松阪牛のハンバーグを求めるのは無理があったようだ。

もちろん私も本気で言ったわけじゃないけれど。

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