社内恋愛狂想曲
「すみません……。実は女性に触られるのが苦手で……」

三島課長が苦しそうに答えると、有田課長は顔をしかめる。

「それは女性より男性が好きってこと?」

「いや、そうじゃなくて……」

誤解を解くために説明しようにも、三島課長は気分が悪くて顔もあげられない。

「三島課長は過去に付き合っていた女性にひどい裏切られ方をしたトラウマで、雌の臭いがする女性が苦手なんです。そういう女性に触られたり、二人っきりになったりすると具合が悪くなるんですよ。仕事中は気を張っているのでなんとか持ちこたえてますけど、お酒が入るとなおさら症状がひどくなるみたいです」

瀧内くんが簡潔に説明すると、有田課長は気の毒そうに三島課長を見た。

「それじゃああんなフェロモンを撒き散らしてるような女性の補佐がついて大変だな。いいなぁなんて言ってごめん」

「いえ……それは別に……。でも毎日が地獄です……。部下の前で倒れるわけにもいかないので、仕事中はなんとか気合いで乗りきってるんですけど……あんな風にむやみに触られたら身が持たない……」

三島課長は弱々しい声でそう言って、グラスに残っていたウーロン茶を飲み干した。

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